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深まる謎~太田裕美『木綿のハンカチーフ』 [国内盤研究]

スタンパー情報の提供を呼び掛けている太田裕美『木綿のハンカチーフ』(CBS SONY SOLB-352)だが、自分自身も動いて収集せねばと思ってHOめぐりなどをしているものの、さっぱり見つからない。

値段がつけられているレコードが並べられたコーナーだけでなく、ジャンク・コーナーも隅から隅まで確認しているのだが、一枚も見つからないのである。

仕方がないので、1枚くらいはネットで買ってみることにした。

ノイさん情報では、「ヒット全曲集」の宣伝になっている緑のCSに入ったものが、スタンパーも若く、音質も抜き出ているという。

ちょっと調べてみると、CSで宣伝されている「ヒット全曲集」は1975年11月1日に発売されたもののようだ。
『木綿のハンカチーフ』の発売日は1975年12月21日だから、初回盤のCSは、この「ヒット全曲集」CSで間違いなさそうだ。

ってことで、それにターゲットを絞って買ってみたものが、今日届いた。


20210209-1.jpg


スタンパーは、Side 1が1A15、Side 2が1A17。
一桁スタンパーとはいかなかったものの、まあ許容範囲だろう。

・・・と思ったのも、束の間・・・


なんじゃぁ、こりゃぁ???


20210209-2.jpg


マト2があるなんて、完全に想定外である。
いままでスタンパー情報を寄せてくれた方も、マト2だという方は一人もいなかった(単に確認してなかっただけですかね?もしそうだとしたら、確認してお知らせくださいませ<(_ _)>)。

今回届いた盤もSide 2のほうはマト1で、Side 1とSide 2のスタンパーの間にあまり差がないことからすると、このマト2、どう考えても初回プレスのときからあったとしか思えない。
しかし、そうだとすると、Side 1にはマト1とマト2が存在するわけで、スタンパーの進み具合はSide 2のほうが早くなりそうなのに、集まったスタンパー情報は、概ねSide 1のほうが進んでいる。
実に不可解である。

ちなみに、マト1とマト2の音は、まったく違う。
こりゃ、絶対に波形の違いにあらわれるなと思ったので、録音してみた。
案の定、波形がはっきりと違っている。


マト1の波形
A1波形.jpg


マト2の波形
A2波形.jpg


マト2のほうが音圧があって、ガツンとくる音質である。
まぁ、ガツンとくる『木綿のハンカチーフ』が聴きたい人はそんなにいないと思うが(笑)

しかし、このマト2、どのぐらい流通してるんだろう?

いずれにせよ、マト2が存在する以上、メインマトの情報といっしょにスタンパー情報を集めないと意味がない。
そんなわけで、スタンパー情報のみご提供いただいた方、メインマトもご確認いただければ幸いです。
今後スタンパー情報をご提供いただく場合、メインマトの確認もお願いいたします<(_ _)>

タグ:太田裕美
コメント(4) 
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コメント 4

いま


こんにちは

私が先日書き込みしました盤ですが
A1/B1でした。

マト2があったんですね、知りませんでした。


マト1のスリーブは青色が多いと思いますが、
このスリーブの裏面端に制作年と月のような数字があり、
75.7 YS
と印刷されています、恐らく75年7月製なのではと思われます。

この青色のスリーブは75年にリリースされたCBS製シングル
でよく見かけますが、翌年76年春頃までのリリースでも
使用されているようですので、当時の一般的なスリーブなので
しょう
(キャンディーズの春一番等で確認しました)


マト2のベスト盤の広告のスリーブが入れ替わってないと
判断すれば、初回リリースの可能性が高そうですね。
(調査中ですが、この広告スリーブは75年以降、年末のリリースのシングルで見かけます)


マト2が初回リリースというのは違和感ありますが
似たようなリリース状況がキャンディーズでもあります。

余談になりますが
76年11/21リリースの「哀愁のシンフォニー」という
シングルですが、このマトはA面、B面とも3まであります。
ところが、見本盤はマト3なのです
(私は所有していませんが、ツイッターで教えていただきました)


他にも「哀愁のシンフォニー」は以下のような不思議な点があります

・マト1は普通によく見かける。
一般的に有名な白地にオレンジのCBSロゴのスリーブに入っていることが多い。
製造年らしき文字の印刷は「7603」≒76年3月製?
となるとリリースから4カ月ほど経っている

・マト2は、1には劣るが見かける。
原則、11月発売の年末商戦用のベスト盤広告が入っている緑色のスリーブに入っていることが多い
(≒ このシングルのリリースが11/21なのでタイミング的には初回盤?)

・マト3はほとんど見かけない。
一度、見せていただいたことがありますが、マト2と
同じ緑色のベスト盤広告スリーブでした。

ただ、やっかいなのが、A面がマト1であれば
B面もマト1とは限らなく、A1/B3やA1/B2など混在しています。

また上記のA2やA3の場合、A面もB面もスタンパーは
あまりすすんでいませんが
A1でB2やB3のパターンだと、A面もB面もスタンパーはかなり
すすんでいます。
ので、私はベスト盤の広告スリーブに入った
マト2もしくはマト3が初回盤なのではと見ています。

木綿のハンカチーフも、もしかしたら同じようなプレス状況
なのかもしれませんね。

長々と失礼いたしました。



by いま (2021-02-10 13:59) 

想也

いまさん

「木綿のハンカチーフ」のマト確認ありがとうございました。
それから、いろいろ貴重な情報もありがとうございました。
CBS SONYのCS、ご指摘いただいて初めて気づきましたが、確かに年月が入ってますね。
これは、青色スリーブならすべて75.7 YSだとすると、製造年というより、使用開始年月でしょうかね?

キャンディーズの話、興味深かったです。
同じような状況だったのでしょうかね?

『木綿のハンカチーフ』のマト2は、記事ではあんまりはっきり書きませんでしたが、ボツカッティングではないかと思います。
何かの間違いで、混じってしまったんじゃないかと。

by 想也 (2021-02-10 23:49) 

いま


こんにちは、お返事ありがとうございました

これは、青色スリーブならすべて75.7 YSだとすると、製造年というより、使用開始年月でしょうかね?

>なるほど。これが製造なのか使用開始なのかわかる資料は
手元にないのですが、それも十分に考えられますね


キャンディーズの話、興味深かったです。
同じような状況だったのでしょうかね?

>キャンディーズは先の哀愁のシンフォニーに加え
「春一番」「やさしい悪魔」「微笑がえし」でマト違いがあり、
「春一番」と「やさしい悪魔」はマト違い=ミックス違いです。

「哀愁のシンフォニー」はそれぞれ大きな違いはありませんが
マト1はマト2、3に比べてステレオ感が若干弱く、高音よりの
音像になっているように感じられます。
またどれもカッティングが高めで、マザーとスタンパーが
若いもの以外は、コーラス部分で音が歪む盤が多いです。


『木綿のハンカチーフ』のマト2は、記事ではあんまりはっきり書きませんでしたが、ボツカッティングではないかと思います。

>ボツカッティングですか。
もしボツであるならなぜ市場に出ているか考えてみました
(※あくまで自分の想像に近いものです)

1.初回オーダーの需要に答えるため、ボツカッティングもプレスに回された
2.本来、マト1のみだったのに、ミスでボツスタンパーが混ざってしまった。

理由は他にも考えられるかもしれません。

この1の場合、マト2が相当数がプレスされているはずなので、
緑のスリーブに入っているのが初回盤とするのであれば
緑スリーブからマト2はそれなりに出てくるはずです。

ただ、プレス需要対応であれば、なぜマト1からの
マザーの追加でなく、わざわざ音を変えたマト2を切っているのか?
という点が不可解に感じます。

2の場合、マト1でOKが出ているのに、なぜ追加カッティング
しているのかという点が不思議ですし、ボツカッティングだと
したらスタンパーが結構進んでいるのも気になります。


もう少し実際のレコードの刻印や傾向を調べないとちょっと
分からないことが多いですね。
また、CBSの売れたシングルを調べていくと今後も色々わかる
ことが出てくるかもしれません

因みに、私もこの週末に中古レコード屋めぐりしましたが、
太田裕美は「木綿のハンカチーフ」だけ見つかりませんでした。
謎の勢力が買い占めに走っているのでしょうか??

先ほどネットオークションも見ましたが、緑のスリーブは結構あるなという印象でした。(やっぱり初回プレス??)
マトがどうかの説明にはないのでマト2がどれくらいあるのか
調べるのは難しいですが。。

再度、長々と失礼いたしました


by いま (2021-02-15 08:16) 

想也

いまさん

キャンディーズ、マト違いがミックス違いというのは楽しいですね(^^)

マト2はすでに、緑スリーブでボクの以外にも2枚出てきました。
なので、それなりに出てくると思います。

マト2は、後からわざわざカッティングしたわけではなくて、最初からマト1(大人しい音)とマト2(ガッツのある音)をカッティングして、比較のうえ、前者を採用したんだと思いますよ。

レイトもマト1でおそろしくスタンパーナンバーが進んだのが存在しているところからすると、マト2は需要に応えてあえて使ったわけではなく、間違って混ざってしまったんだと思います。

で、混じったのがスタンパーの段階ではなく、マザーの段階で混じったので、スタンパーがけっこう進んでるのかなと。

要するに、ボツだと判断されたのがうまく伝わらず、マト1もマト2も両方採用ということでメッキ処理が行われたところ、マト2は不採用ということが判明して、マト2のスタンパーは廃棄されたはずが、何枚か残っていた。
そんなところかなと思ってました。

でも、まぁ、妄想なので、いろいろ、ボチボチ、これからも調べたり考えたりしてみます。

by 想也 (2021-02-15 15:17) 

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