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Gone Troppo [George Harrison]

新年3日目、温かくて優しい音楽が聴きたいなと思っていた。

思い浮かんだのはジョージ(George Harrison)である。

さて、何を聴こうかなと思っているところに、NJoobuさんの「お正月はGone Troppo攻め」というツイが目に入ってきた。

ターンテーブルに載せることが少ないアルバムだが、それだけに無性に聴きたくなったので、ボクも便乗して今日はGone Troppo祭りに決めた(笑)

とはいえ、特に掘ってもいないので、うちにはUK盤と日本盤の二枚しかない。


20210103-01.jpg


しかも、このレコード、UK盤も日本盤もUSカッティングである。
US盤も持ってなきゃダメなんである。
ジョージ・ファン失格である。
ごめん、ジョージ・・・

US盤はそのうち手に入れるとして、まずは日本盤から聴いてみることにした。
こういう輸入メタルを使用した日本盤は、本国盤より音がよかったりするんだよなー
しかも、ボクの持っている日本盤は、プロモでもないのにスタンパーが両面1L-A-1なのである。


20210103-02.jpg


素晴らしい音で鳴りそうなじゃないか。

しかーし、スピーカーから流れ出す音は、悪くはないもののそれほどでもない。

両面1L-A-1なのになー

Side 1を聴き終わって、送り溝をしげしげと眺めてみる。
そこで、いやーな発見をしてしまった・・・


20210103-03.jpg


これは、どう見てもPMである。
2 S X Yと読める。

自社工場をもたないワーナーは、カッティングやプレスを、東芝EMIや東洋化成に委託していたということは、さださんのLPがらみで紹介したことがある。

https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2020-04-24

しかし、このPMはそのどちらでもない。
S?

送り溝の刻印をしげしげと眺めていると、どうもCBS SONYの刻印ぽい。
で、あらためてレーベル形状を見てみると・・・


20210103-04.jpg


この直径24mmほどの小さいリングは、CBS SONYプレスで間違いないだろう。

PMのルール自体は、東芝EMIや東洋化成と同じと考えてよさそうだ。
ってことは、2 S X Yってことは、82年10月に一度使ったスタンパーを、11月に再度使ってプレスしたものということか。
両面1L-A-1でも、かなり使用された後で、ちょっとへたってきてたのかもしれない。
とほほ・・・

一応、Side 2のほうも聴いてみたが、印象はSide 1と変わらなかった。


気を取り直して、UK盤のほうを聴いてみる。
NJoobuさんによると、このアルバムの純正UK盤というのは、けっこうレアらしい。

聴いてみると、これが手持ちの日本盤より音が立っている。
日本盤と同じくUSカッティングだが、日本盤のUSマト末尾がJPN-SET2 RE2/JPN-SET1 RE2なのに対して、UK盤は、UKマトがA1/B1でUSマト末尾がUK-SET1 RE2/UK SET1 RE2である。
つまり、同じラッカーではなく、カッティング自体が違っている。
まぁ、でも、カッティングの違いに由来する音の違いというよりは、スタンパーの元気さに由来する音の違いの気もするが・・・

さて、数が少ないという純正UK盤だが、ボクが持っているものは、少なくともジャケットについてはDiscogsに出ているのとちょっと違っている。
ただし、Discogsのは画像が小さくて文字が判読できないので、ホントにUK製のジャケットなのかわからないのだが。

とりあえず、ボクの手許にあるUK盤を紹介しておこう。

UK盤の特徴は、裏ジャケにある。


20210103-05.jpg


右上にレコード番号が印刷されているのがわかるだろうか。

拡大してみよう。


20210103-06.jpg


なにやら、もともと別の番号が書いてあったのを修正したっぽい感じなのだが、UK盤はこのレコード番号しか存在しないので、特に修正ということではないのかもしれない。

右下には、しっかりと、"PRINTED AND MADE IN ENGLAND"と印刷されている。


20210103-07.jpg


悩ましいのはインナースリーブである。


20210103-08.jpg


どこが悩ましいかって、左下に、"MADE IN USA"と印刷されているんである。


20210103-09.jpg


これじゃ、純正UK製じゃないじゃん!

そう思っていたら、NJoobuさんが、「US盤とは作りが違うから、"MADE IN USA"と書いてあっても、UK製だと思う」とおっしゃる。
なるほど、そうかー
アメリカから版下を取り寄せて作ったものの、この部分を修正するのを忘れたってことか。
そう思って眺めていたら、さらに決定的な証拠を発見してしまった。

インナースリーブをひっくり返す。


20210103-10.jpg


注目すべきは右上である。


20210103-11.jpg


黒い四角で囲まれた"923”というのが見える。
これはUS盤のインナースリーブにはない。
そりゃそうである。
UK盤のレコード番号の最初の3桁なのだ。
後半の"734-1"が裁断されてどこに消えたかわからないが、このインナースリーブは、"MADE IN USA"と明記されているにもかかわらず、UK製で間違いないと思う。


20210103-12.jpg


最後にUK盤のレーベルとマト。
マトがねぇ・・・CBSプレスにありがちなのだが、ちょっと流れるように掠れている。
ってことは、やっぱり、US盤が一番音が良さそうだなぁ・・・


ジョージのアルバムはどれも優しさと温かさに満ちていると思うけれど、このレコードはさらに、明るさにも満ちている。

いつまで続くかわからないこの困難な状況の中で、この優しさと温かさと明るさが、暗く落ち込みそうになった心を救ってくれそうな気がした。
これまではターンテーブルに載せることが少なかったアルバムだけど、今年は聴くことが多くなるかもしれないなあ。

タグ:George Harrison
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