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差はあるのか?―Hall & Oats, H2OのUSオリジナル [Bob Ludwig(RL)の仕事]

ホール&オーツ(Daryl Hall & John Oates)"H2O"のUSオリジナルのことは、以前記事にしたことがある。

https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2018-04-30

このときにボクが持っていたのは、ファースト・プレスの方もマトR2/R1のRCAインディアナポリス工場産だった。
で「当然R1/R1もあると思うが、差はない気がする」なーんてことも書いた。

これは本心だったので、とくにマトR1/R1を探していたわけではないのだが、見つければ当然買う。
安レコなので、買わない理由はないのである。

ってことで、手許にUS盤が3枚になった。


20200419-1.jpg


あっ、でも、最近レコード・ショップには行けてないので、手に入れたのはずいぶん前の話だ(去年の夏頃だったかなぁ?)。
この手のネタは山ほどあるのだが、書くのが面倒なので、放置しているのである。

放置ネタは、すっかり忘れ去ってしまうことが多いのだが、今日、たまたまツイッターで話題になったので思い出した。
思い出したときに書かないと、また忘れてしまいそうなので、書きとめておくのである。

ってことで、ホール&オーツ"H2O"のUSオリジナル、マトR1/R1の話である。
前の記事を書いたときに持っていた盤と違うのはSide A(ちなみに、裏はSide Bではなく、Side Oneで、いわゆる両A面だ。Side Oneのマトの末尾はB- R1だけどね。)のマトである。


20200419-5.jpg


A-R1が燦然と輝く(そんな大したもんじゃない 笑)。
Side AにのみMASTERDISK RL刻印があることも、RCAインディアナポリス工場産であることも、マトR2/R1盤と同じである。

とはいえ、マトR1/R1はマトR2/R1と同じくセカンド・プレスにも存在する。
ファースト・プレスと認定されるためには、いくつかの関門をくぐりぬけなければならないのである。

まずはジャケットだ。
マトR1/R1盤は、最初の集合写真では一番手前である。
「全部同じだろー」って声が聴こえてきそうだが(実際、写真じゃ全部同じに見えるだろうし)、以前の記事に書いたように、ジャケットにも光沢があるものとマットなものがあって、光沢があるのが最初だ。
で、マトR1/R1盤が入っていたジャケットは光沢ありだった。
ファースト・プレスの第一関門突破である。

マトR1/R1盤に付属のインナースリーブは、光沢があり、右下にREはなく、曲順が"ONE ON ONE"→"ART OF HEARTBREAK"と収録順とは違っている。


20200419-2.jpg


ファースト・プレスの第二関門突破である。

そんなわけで、無事、ボクが入手したマトR1/R1盤はファースト・プレスに認定された・・・と言いたいところなのだが、最大の関門が残っていた。
そう、レーベルである。

マトR1/R1のレーベルを見てみよう。


20200419-3.jpg


なんだ?これは?

ファースト・プレスはこういうレーベルのはずである。


20200419-4.jpg


"1981 RCA RECORDS"が棒線で消されて、上に"1982 RCA RECORDS"と追記されている。

以前の記事でセカンド・プレスとしたものは、そもそも"1981 RCA RECORDS"は印刷されておらず、"1982 RCA RECORDS"が追記ではなく最初から印刷されていた。

しかし、この両者は、レーベル上に印刷されている文字のフォントや配置などは同じだった。

今回ボクが入手したマトR1/R1盤は、文字のフォントや配置などが全然違う。
Stereoなんて表記もついている(ってことで、このレーベルをStereo付きレーベル、以前からボクが持っていたものをStereoなしレーベルと呼ぶことにする)。
それに、このStereo付きレーベル、よく見ると、RCAロゴがどこにもないんである。
なんとも不思議なレーベルというほかない。

全然違うことにあっけにとられて、どっちがファースト・プレスなのか一瞬わからなくなったが、落ち着いて考えれば、Stereo付きレーベルのほうが後だというのはわかる。
"1982 RCA RECORDS"と印刷されているからである。
間違って"1981 RCA RECORDS"と印刷してしまい、棒線で消さざるを得なかった、Stereoなしファースト・レーベルのほうが先だろう。

また、スタンパーとおぼしき刻印も、Stereoなしファースト・レーベル盤がA1のスタンプにHの手書き(A面)/A1のスタンプにfの手書き(B面)なのに対して、Stereo付きレーベル盤ほうはA7のスタンプにNの手書き(A面)/A1のスタンプにRの手書き(B面)である。
微妙と言えば微妙だが、Stereoなしファースト・レーベル盤が先でよさそうだ。

さらに、もう一つの情況証拠として、DiscogsにはStereo付きレーベル盤にRE付きインナースリーブが付属しているものが掲載されている。

問題なのは、Stereo付きレーベルと、Stereoなしセカンド・レーベルでは、どちらが先なのかである。
うちのは、Side AがStereo付きレーベルで、B面にあたるSide OneがStereoなしセカンド・レーベルなので、さらにわけがわからなくなる。
(ちなみに、Side OneのほうもStereo付きレーベルという盤―つまり両面Stereo付きレーベル盤―も存在する。さらに、うちのと逆に、Side AがStereoなしセカンド・レーベルで、Side OneのほうがStereo付きレーベルという盤も存在する。)

まぁ、セカンド・プレスの話なので、どっちでもいいか(笑)


おっと、前置きが長くなった(前置きだったんかーい)。

今日の本題は、Side AのマトR1とマトR2には、差があるのかないのかだ。

結論から言うと、全然違う(笑)
そもそも送り溝の幅が全然違うのである。

R1の送り溝の幅は、13mmほどだ。


20200419-6.jpg


それに対してR2の送り溝の幅は、17mmもあるのだ。


20200419-7.jpg


4mmの差は大きい。

実際、出てくる音はかなり印象が違う。
R1はわりと低域が強調された音で、ベースやドラムの存在感が大きい。
それに対してR2は、低域がぐっとタイトになって、軽やかだ。

ホール&オーツなら、ボクはR2のカッティングが好みである。
まぁ、スタンパーが若いぶん、鮮度感もR2のほうが上だということもあるのだが。

あと、もしかしたら、スタンパーの摩耗に由来するのかもしれないが、R1は内周にいくと少し歪みっぽく感じるところがある。

とはいえ、R2だけ持ってればいいかというとそうでもなく、なんとなくR1を聴きたくなるときもあるような気がする。
どちらも、MASTERDISKのRLカットだしね。

そんな楽しみ方ができるのも、アナログの醍醐味だと思うのである(笑)

タグ:Hall & Oates
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