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Barbra Streisand, The Way We WereのUSオリジナル [TMLの仕事]

25日の深夜、TBSで放送された小田和正さんの『クリスマスの約束』、和田唱さんといっしょにやった映画音楽メドレー第三弾は、バーブラ・ストライサンド(Barbra Streisand)の「追憶(The Way We Were)」から始まった。

それを聴いていて(観ていて)オリジナルがどうしても聴きたくなったのだが、残念ながらレコードを持っていない。

「そんなときはサブスクでしょう」なんて声が聴こえてきそうだが、それじゃダメなんである。

「オリジナルが聴きたい」というのは、単に、「バーブラの歌で聴きたい」ということだけではないのだ。
針がレコードの溝をトレースするときに発生する、あのやわらかなノイズがかすかに流れる中から、鮮度抜群のバーブラの歌が聴こえてこないといけないんである。

わかるかなぁ?
まぁ、わかる人だけわかってくれればいいや(笑)

とにかく、一度その音のイメージが頭に浮かんだが最後、もう頭から離れない。
翌日には、ボクはレコード・ショップに出かけていたのであった。

中古レコードの場合、レコード・ショップに行ったからといって見つかるとは限らない。
レア盤の場合はもちろんだが、それこそ、バカ売れして大量にあるはずのレコードだって、見つからないときは見つからないのだ。
「欲しい」と思って、探しに行って即座に見つかったら、相当にラッキーである。

で、どうやらボクはまだ、今年のレコード運を使い果たしていなかったようだ。
最悪日本盤でもいいかなぁと思っていたのだが、USオリジナル(Columbia PC 32801)が簡単に見つかった。


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ボクは彼女のルックスについてはあまり好みではないので、美人だと思ったこともないのだが、このジャケットの彼女はとてもキュートだ。

裏ジャケットにあしらわれたシルエットも、なかなか素敵である。


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シルエットを囲んで曲名やらプロデューサー名やらがクレジットされているのだが、左上にはこんなクレジットも。


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そう、TML(The Mastering Lab)でダグ・サックス(Doug Sax)がマスタリングしているのである。

レーベルは、とくに代わり映えのしないUSコロンビアの赤いレーベルだが、


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送り溝には、しっかりTMLの刻印がある。


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この時期には、まだTMLのみで、TML-MやTML-Sではない。
あれ、でも、TML-Sが示す二台目のスカリー製カッティング・レースが導入されたのって、こんなに遅かったっけ?

"The Way We Were"は、1974年1月にリリースされたものなので、カッティングは1973年の12月だろう。

一方、Discogsを見ると、1972年に二台目のスカリー製カッティング・レースが導入されて、元からあったカッティング・レースをTML-M、新しく導入されたほうをTML-Sと呼ぶようになった、というようなことが書いてある。

時期が合わないσ^_^;

手持ちの盤をいろいろひっくり返してみても、どうも1974年の始め頃まではTMLのみのようだ。
Discogsが間違っていて、二台目のカッティング・レースが導入されたのは1974年なのか、あるいは、1972年に二台目が導入された後も、しばらくは区別せずにTMLの刻印のみを用いていたが、1974年になってTML-MとTML-Sを使い分けるようになったかの、いずれかだと思われる。

Discogsの記載は、間違っているか、少なくとも不正確だ。
TML刻印は、少なくとも1974年初頭まではTMLのみ、その後、1974年中にTML-MとTML-Sになる(9月リリースのジャクソン・ブラウン(Jackson Browne)”Late for the Sky”はTML-MとTML-Sなので、少なくとも8月には新しい刻印に変わっていたと思われる)。

さて、音のほうだが、イメージ通りだった。
やわらかい針音に導かれて、鮮度の高い音が飛び出してくる。
これは、大音量で楽しみたい。

しかも、このアルバム、初めて聴いたのだが、内容もとても良い。

映画『追憶』とその主題歌の大ヒットを受けて急遽発売されたもので、69年発表のシングル"What Are You Doing The Rest Of Your Life?"に、旧録音の未発表曲5曲と、タイトル曲"The Way We Were"を含む新録音4曲を加えてまとめられているだけに、アルバムとしての統一感には欠けるのだが、なにせ収録されている楽曲が良いし、バーブラの歌唱も素晴らしいのである。

今回入手した盤のマトは1D/1Cで、ピットマン工場(東海岸)プレス。
1A/1Aはサンタマリア工場(西海岸)プレスかなぁ?

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