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初盤道裏話 [アナログ・コレクターの覚書]

ここでもしばしば取り上げてきたレコード・コレクターズの初盤道だが、11月号の今回と12月号の次回は、取材・資料協力ということで、なんとボクが登場している。


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「初盤探求をしている市井の人」みたいな紹介のされ方で、ボクが初盤探求にはまったことについて、紙ジャケ探検隊には(初盤道を連載しているということ以外には)あんまり責任がないようなニュアンスを醸し出そうとしているが、それはちょっと違うぞ(笑)

ツイッター上でのやり取りに絡んでくれている方はもちろん、直接絡まなくても、探検隊とボクの共通のフォロワーならボクたちのやり取りは丸見えなわけで、そうした方々にはすでに明らかなことだが、探検隊は、(もう20年近く前のことだが)ボクを初盤探求の深い沼に引っ張り込んだ張本人なのである。

実を言うと、ボクが初盤道に登場するのは初めてではない。
もちろん、名前が出てくるのは今回が初めてだが、かなり初期の段階で一度登場しているのだ。
それは、ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)の"Blue"を扱った第4回「バーニー・グランドマンの青」(2017年8月号)のときだ。

そこに、こんな記述がある。
「そこで同じBGマト1を姑息にも自分で買わずに、何人かに買ってもらって確認したところ、Pの刻印があるという。」
この「何人か」のうちの一人がボクなのである(笑)

バーニー・グランドマン(Bernie Grundman)のサインBGがあるマト1の盤(BGマト1)の製造工場が、たまたま自身で所有している盤の送り溝では判別できなかった探検隊は、「"Blue"のBGマト1、音良いよ~ 持ってなかったら買ったほうがいいよ~」と周りにエサをまいた。

そりゃ、すぐさま飛びつきますわよ・・・

って、ここまで書いて思い出したことがある。
もうかなり前のことになるが、今はもう閉店してしまって存在しない淵野辺のディスク・ユニオンに探検隊と漁盤に行ったことがあった(そのとき探検隊が新譜で出たぱかりの山下達郎『Ray Of Hope』を買っていた記憶があるので、あれは2011年の秋頃のことだったのだろう)のだが、そのときボクは、"Blue"のWLPを見つけて買おうか迷ったのだ。
ボロいわりには高かったのでそのときは買わなかったのだが、その振る舞いはしっかり探検隊の頭にインプットされていたに違いない。

エサをまけばすぐに飛びつくことは、探検隊にはわかっていたのだ。
もう、お釈迦様の手のひらの上の孫悟空みたいなもんである(笑)
まるっとお見通しなのだ。

ボクは、手持ちのBGマト1の送り溝にP刻印を発見して、それを撮影した画像とともに、探検隊に報告したのであった。


今回のキャメル(Camel)の"The Snow Goose"にしても、ボクはやっぱりお釈迦様の手のひらの上の孫悟空なんである。

下記がオリジナルの記事だが、当初の考察を記事にした後に、「友人から『デッカみたいなメジャーはパブリッシャー表記にうるさいはずなんで、変遷しているレーベル表記にミスクレジットは一つもない、すべて正しいって前提で考えたほうがいいんじゃない?』って指摘を受け」て考察しなおした結果、真相に近づいているのがわかるだろう。

何を隠そう、この「友人」とは探検隊なのである。

https://sawyer2015.blog.ss-blog.jp/2017-03-04

まさにお釈迦様の手のひらの上の孫悟空じゃないか。
考レコ学研究室の駆け出し研究者のボクにとって、探検隊は指導教授みたいなもんなんである(同い年だけど)。

指導教授なんて言うと、弟子の研究報告を受けてちょこっとアドバイスをするような感じに受け取る人もいるかと思うが、探検隊の場合、初盤探求については、ボクよりはるかに徹底している。

"The Snow Goose"のレーベル・バリエーションの変遷にしても、ボクは、セカンド・プレスの存在についてはオオヒラさんからの画像提供で満足して自ら入手していないのだが、今回の初盤道の話をボクに持ちかけたときにはすでに、探検隊は、初回レーベルから第4版レーベルまですべて自ら入手していたばかりか、第4版以降の出版社表記の変遷にまで目を配ったり、75年9月にリリースされたシングルのかなり奇妙な表記まで発見して考察したり、探求をさらに深めていたのであった(一回の原稿を書くのに資料代にいくら遣ってんでしょうね 笑)。


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(我が家のリビングのソファの上で、探検隊持参の"The Snow Goose"とうちの"The Snow Goose"の集合写真。)


とはいえ、探検隊といえども、このレコードの出版社表記が複雑に変遷する理由を解明するのはなかなか手強かったようで、いっしょに考えろというお達しも同時に賜った。
で、あれこれと探検隊と知恵をしぼったのだが、そのあたりの話は、次回の後編で明らかにされることになっている。
乞うご期待なのである。

そういえば、紙ジャケ探検隊には一つ謝っておかなければならないことがあったんだった。

紙ジャケ探検隊ウェブサイトの特集記事に何度か関わったことがある(当時のボクのハンドルネームはRefugeeでした。)のだが、そのうちの一つで、ディラン(Bob Dylan)の"Planet Waves"の記事を書かせてもらって当時ボクが開いていたウェブサイトにアップのうえリンクしてもらっていたものが、サーバーのサービス終了で消滅し、いまだにリンク切れのままになっている。

何も対応してなくて、すみませんm(_ _)m

アメリカ盤については当時に比べるといろんな面で研究が進んでいて、当時の記事のまんまでアップするというわけにもいかないので、情報をもう一度整理しなおして、そのうち記事にまとめるつもりです。

ということで、どうかご容赦を!

タグ:Camel
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