井上陽水『氷の世界』のエラージャケット [アナログ・コレクターの覚書]
<路傍の石さんにエラーの原因を教えてもらったので、追記しました。>(2019年9月14日22:40)
さて、考レコ学クイズ7の解答編である。
答えは超簡単なので、ほとんどの方は一瞬で気づいたことだろう。
そう、井上陽水『氷の世界』(ポリドールレコード MR 5038)の正常なジャケットでは、『氷の世界』という青字のタイトルのすぐ下に黒字で『井上陽水』というアーティスト名が入っているのだが、このジャケットにはそれがないのである。
つまり、これはエラージャケットなのだ。
本来のジャケットと並べてみよう。
この『氷の世界』というアルバム、1973年12月1日に定価2000円でリリースされているのだが、翌1974年にはLPレコードの価格改定があった関係で定価2200円になる。
2000円の初盤も特に珍しくもないが、帯付き美品には2200円盤が多いので、初盤にこだわる人には注意が必要だ。
かくいうボクの所有している帯付き盤も2200円盤である。
しかも、帯には前所有者がご丁寧に50年10月と書き込んでいる。
つまり、リリースの2年も後に購入されたものなわけで、セカンドプレスどころかサードプレスあたりかもしれない。
でも、まぁ、それも、つい最近までまったく気づいていなかった。
半年ほど前のこと、ツイッターのTLにどなたかの「このレコードは音が良いので初盤を探したい」というツイートが流れてきた。
それで、なんとなく手持ち盤が初盤かどうかを確認したら、見事にレイトであることが判明してしまったのであった。
とはいえ、これはやたら売れたレコードだし、それこそハードオフのジャンクコーナーにゴロゴロしてんだろうと思ったから、とくにがっかりもしなかった。
それより、実際にハードオフのジャンクコーナーに行ったら、このエラージャケットの発見である。
ボクは、思わず歓喜の雄叫びをあげてしまった!
うぉぉぉぉぉ!
ウソです。
店内でそんな恥ずかしいことはしません(笑)
でも、かなりニマニマしながら店を後にしたことだけは確かだけどね(^_-)-☆
では、このエラージャケットのことを、もう少し詳しく紹介しよう。
このエラージャケット、『井上陽水』という黒字のアーティスト名が欠けている以外にも、本人画像の黒がかなり飛んでいるという特徴がある。
単体で見せられてもわかりにくいかもしれないので、正常なジャケットと並べてみよう。
印刷技術的なことはまったくわからないのだが、最後にアーティスト名とともに本人画像のところの黒も重ねるような黒の二重印刷でできあがるジャケットで、最後の工程が欠けたということなんだろうか?
誰か詳しい方教えてくださいませm(_ _)m
ツイッターで印刷技術に詳しい路傍の石さんにエラーの原因を教えてもらったので追記しておこう。
路傍の石さんの回答はきわめて分かりやすく的確なので、そのまま引用する。
「印刷の色数はスミ版、特色グレー版、特色ムラサキ版の3色+マットニスです。
井上陽水の文字と表写真のハーフトーンのグレーで刷られるべき部分が抜けてます。
グレーの版そのものが抜けたことも考えられますが、刷っている途中でグレーのインキ壺が空になったのに気付かなかったというのが原因かな?」
なるほどそういうことだったのか!
で、あらためて目を凝らしてみると、今までまったく気づかなかったが、かすかに「井上陽水」の文字がかろうじて認識できるじゃないか。
これはまさにインクはないけど印刷はしようとした痕跡だろう。
謎は見事に解明されたのでありました。
路傍の石さん、ありがとうございましたm(_ _)m
とはいえ、裏ジャケは、まったく同じである。
定価が変わっているので、右下端の価格表示が2000円と2200円という違いはあるが、黒が抜けている様子はない(というか、エラージャケットは2000円盤なのだが、そっちのほうが黒が濃い)。
ちょっと不思議だが、まぁ、表だけ黒の重ね印刷だったということか。
内ジャケットも特に違いはない。
帯のついていないほうがエラージャケットだが、写真の鮮度が若干高いと感じるぐらいで、大差はない。
このほか、歌詞インサートにも違いはなく、盤も同じラッカーから切られたもののようだ。
とはいえ、2000円盤と2年後の2200円盤では、スタンパーの若さがかなり違っているので、音は歴然と違う。
ボーカルや個々の楽器の音色の明快さ、分離の明確さ、空間の広がり感など、スタンパーが若いとかな~り印象は変わる。
2200円盤しか持ってないという人は、帯付きでも数百円でゴロゴロしてると思うので、ぜひ2000円盤も探してお試しあれ。
あっ、でも、このエラージャケットはレアだと思うなー
イエス『こわれもの』の船なしジャケットみたいに、すっごい価値があるものだったりしないかしらん?(笑)
まぁ、特に価値がなくてもいいや。
こういう盤との出会いって、コレクター的には嬉しいのよね。
で、たまにしか行かないけど、ハードオフめぐりもやめられないのである(笑)
さて、考レコ学クイズ7の解答編である。
答えは超簡単なので、ほとんどの方は一瞬で気づいたことだろう。
そう、井上陽水『氷の世界』(ポリドールレコード MR 5038)の正常なジャケットでは、『氷の世界』という青字のタイトルのすぐ下に黒字で『井上陽水』というアーティスト名が入っているのだが、このジャケットにはそれがないのである。
つまり、これはエラージャケットなのだ。
本来のジャケットと並べてみよう。
この『氷の世界』というアルバム、1973年12月1日に定価2000円でリリースされているのだが、翌1974年にはLPレコードの価格改定があった関係で定価2200円になる。
2000円の初盤も特に珍しくもないが、帯付き美品には2200円盤が多いので、初盤にこだわる人には注意が必要だ。
かくいうボクの所有している帯付き盤も2200円盤である。
しかも、帯には前所有者がご丁寧に50年10月と書き込んでいる。
つまり、リリースの2年も後に購入されたものなわけで、セカンドプレスどころかサードプレスあたりかもしれない。
でも、まぁ、それも、つい最近までまったく気づいていなかった。
半年ほど前のこと、ツイッターのTLにどなたかの「このレコードは音が良いので初盤を探したい」というツイートが流れてきた。
それで、なんとなく手持ち盤が初盤かどうかを確認したら、見事にレイトであることが判明してしまったのであった。
とはいえ、これはやたら売れたレコードだし、それこそハードオフのジャンクコーナーにゴロゴロしてんだろうと思ったから、とくにがっかりもしなかった。
それより、実際にハードオフのジャンクコーナーに行ったら、このエラージャケットの発見である。
ボクは、思わず歓喜の雄叫びをあげてしまった!
うぉぉぉぉぉ!
ウソです。
店内でそんな恥ずかしいことはしません(笑)
でも、かなりニマニマしながら店を後にしたことだけは確かだけどね(^_-)-☆
では、このエラージャケットのことを、もう少し詳しく紹介しよう。
このエラージャケット、『井上陽水』という黒字のアーティスト名が欠けている以外にも、本人画像の黒がかなり飛んでいるという特徴がある。
単体で見せられてもわかりにくいかもしれないので、正常なジャケットと並べてみよう。
印刷技術的なことはまったくわからないのだが、最後にアーティスト名とともに本人画像のところの黒も重ねるような黒の二重印刷でできあがるジャケットで、最後の工程が欠けたということなんだろうか?
誰か詳しい方教えてくださいませm(_ _)m
ツイッターで印刷技術に詳しい路傍の石さんにエラーの原因を教えてもらったので追記しておこう。
路傍の石さんの回答はきわめて分かりやすく的確なので、そのまま引用する。
「印刷の色数はスミ版、特色グレー版、特色ムラサキ版の3色+マットニスです。
井上陽水の文字と表写真のハーフトーンのグレーで刷られるべき部分が抜けてます。
グレーの版そのものが抜けたことも考えられますが、刷っている途中でグレーのインキ壺が空になったのに気付かなかったというのが原因かな?」
なるほどそういうことだったのか!
で、あらためて目を凝らしてみると、今までまったく気づかなかったが、かすかに「井上陽水」の文字がかろうじて認識できるじゃないか。
これはまさにインクはないけど印刷はしようとした痕跡だろう。
謎は見事に解明されたのでありました。
路傍の石さん、ありがとうございましたm(_ _)m
とはいえ、裏ジャケは、まったく同じである。
定価が変わっているので、右下端の価格表示が2000円と2200円という違いはあるが、黒が抜けている様子はない(というか、エラージャケットは2000円盤なのだが、そっちのほうが黒が濃い)。
ちょっと不思議だが、まぁ、表だけ黒の重ね印刷だったということか。
内ジャケットも特に違いはない。
帯のついていないほうがエラージャケットだが、写真の鮮度が若干高いと感じるぐらいで、大差はない。
このほか、歌詞インサートにも違いはなく、盤も同じラッカーから切られたもののようだ。
とはいえ、2000円盤と2年後の2200円盤では、スタンパーの若さがかなり違っているので、音は歴然と違う。
ボーカルや個々の楽器の音色の明快さ、分離の明確さ、空間の広がり感など、スタンパーが若いとかな~り印象は変わる。
2200円盤しか持ってないという人は、帯付きでも数百円でゴロゴロしてると思うので、ぜひ2000円盤も探してお試しあれ。
あっ、でも、このエラージャケットはレアだと思うなー
イエス『こわれもの』の船なしジャケットみたいに、すっごい価値があるものだったりしないかしらん?(笑)
まぁ、特に価値がなくてもいいや。
こういう盤との出会いって、コレクター的には嬉しいのよね。
で、たまにしか行かないけど、ハードオフめぐりもやめられないのである(笑)
タグ:井上陽水
大変参考にさせていただいております。
さて、このアルバムを最近、何枚か買い漁っておりますが、どうにも解せない事がありまして、ご意見を伺いたくコメントさせていただきました。
まず、帯の定価表記が古い順に、①2000円、②2200円、③2200円の前に丸で囲んだ74の表記あり、④同、75の表記あり、の4種類が確認出来ました。
それぞれのPMを確認してみると、①でありながら②のものよりプレス時期が後だったり、④なのに②より早いプレスだったりと統一性がありません。
出荷、流通上、このような事があり得るのか、それとも中古レコード業界において、盤、ジャケットの入れ替えが行われているのか… 見解をお聞かせいただければ幸いです。
by 亘 (2022-10-10 21:29)
亘さん、はじめまして。
定価表記の変遷については調べたことがないので、①→③→④の順は間違いないと思いますが、②は、③の前か④の後か、それとも、印刷会社違いで③または④と同時か、わかりません。
ジャケットと盤の入れ替えは、中古レコード店で行われることもあるでしょうけど、購入した個人が行う方が圧倒的に多いんじゃないですかね?
手持ちが、盤は綺麗だけどジャケが汚れてるというものなら、ジャケは美品だけど盤に傷があるために格安とかいうのを見つければ、ジャケだけのために買って帰るとか、よく聴く話ですし。
中古盤は、ジャケと盤の入れ替えや、インナースリーブの入れ替えとかは、普通にあると思っておいたほうがいいですよ。
by 想也 (2022-10-11 00:01)
早速のコメント、ありがとうございます。
やはり入れ替え説の方が有力ですかね…
まぁ、深く考えないようにします。笑
今後もディープな記事を期待しております。ありがとうございました!
by 亘 (2022-10-11 08:58)
いえいえ~
盤はPMでプレス時期が確定しますし、ジャケットは価格変動があれば変遷が確定しますから、ズレてたら、入れ替えだと思いますよ。
最近は、ディープすぎて、愛想をつかされてるんじゃないかとビクビクしてます~(笑)
今後ともどうかよろしくお願いします。
by 想也 (2022-10-11 23:57)