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She's the Bossその1 [Bob Ludwig(RL)の仕事]

昨日、7月26日はミック・ジャガー(Mick Jagger)の誕生日だったとのこと。
76歳になったそうだ。

心臓手術のためにツアーを延期するというニュースを聴いたときは心配したけど、手術は無事成功し、ツアーも再開され、いまや何事もなかったかのように、ミックはステージの上で飛び跳ねていると聴く。

凄い人だよなぁ。

ってことで、敬意を表して、彼のファースト・ソロ・アルバム"She's the Boss"を聴く。
ミックのボーカルにジェフ・ベック(Jeff Beck)のギター、ボクなんぞ、それだけでもう抵抗できない(笑)


20190726-01.jpg



え?
なんで4枚もあるのかって?

そりゃ、もちろん、掘ったからだ(笑)
厳密には掘ってる途中なのだが、ミックの誕生日なので記事にしてしまうのである。

このレコード、ボクはずーっと日本盤(CBS SONY 28AP 2996)で聴いてきたのだが、日本盤もUSカッティングの輸入メタルを使用してプレスされているし、しかもその輸入メタル、MASTERDISKでボブ・ラディック(Bob Ludwig)がマスタリングしているので、すこぶる音は良い。


20190726-11.jpg
(厚手のインナースリーブには、MASTERED AT MASTERDISK, N.Y.C. BY BOB LUDWIGと明記されている。)


しかーし、日本盤には一つ問題がある。


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(馴染み深いCBS SONYの赤いレーベル。)


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(送り溝には、USカッティングの輸入メタル使用を示す手書きのMatrixが刻まれている。)


手持ちの日本盤のMatrixは次の通りだ。

28AP-2996A1 AL.39940.INTL.-11 MASTERDISK
28AP-2996B2 BL.39940.INTL.-11 MASTERDISK

で、何が問題かって、ラディックがマスタリングしているのに、MASTERDISK刻印のとなりにRLのサインがないんである。


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(A面もB面もMASTERDISKの刻印のみでRLのサインがない日本盤の送り溝。)


もっとも、RLのサインがないのは、日本盤に限った話ではない。
ボクが最初に買ったUS盤(Columbia FC 39940)にもなかったのだ。
その盤のMatrixは次の通りだった。

P "AP" AL.39940.INTL.17 MASTERDISK
P (AP) BL.39940.1J MASTERDISK

まぁ、この段階では、正直なところ、RLのサインがないことも、それほど気にはしていなかった。
「マスタリングだけラディックがやって、カッティングは若いのにまかせちゃったのかもね。」なーんて考えていたのである。

ところが、あるとき、「EU盤にはRLのサインがある」という話がツイッターのTLに流れてきたのである。
あるなら欲しくなるのが人情だ。

で、EU盤(CBS 86310)を買ってみたら、確かにRLのサインがあるではないか。


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(EU盤はオランダプレスで、CBSのイエロー/オレンジ・レーベルだ。)


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(やはり、USカッティングの輸入メタルが使用されている。)


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(MASTERDISK刻印の隣には、RLのサインがある。)


この盤のMatrixは次の通りだった。

01-86310-2A-1 AL-39940-INTL-2 MASTERDISK RL
01-86310-5B-1 BL-39940-INTL-3 MASTERDISK RL

この盤を手に入れた段階で、「じゃぁRLのサイン入りってのはどの範囲で存在するのか」ってのが気になった。
で、Disicogsで調べてみると、おもしろいことがわかった。

まず、この盤のMatrix末尾には、US国内向けの1A、1B・・・というもののほかに、輸出向けのINTL-1、INTL-2・・・というものがあるが、その振り分けは厳格ではなかったようで、ボクの持っているUS盤の片面はINTLマトだったし、ギリシャ盤なんかは両面1Gだったりする。

とはいえ、基本的には、1A、1B・・・というのはUS国内向けだろうし、INTL-1、INTL-2・・・というのは輸出向けだろうから、前者をUSマト、後者を輸出用マトと呼ぶことにしよう。

で、RLのサインが入っている範囲だが、USマトでは少なくとも1GまではRLのサインがある(ギリシャ盤がそうだし、実は先日、レコードショップで、US盤の1GマトでRLサイン入りの現物―ただし、反対の面はINTLマトだった―を確認した)。

輸出用マトについては、手持ちのEU盤のINTL-2とINTL-3にRLのサインがあるが、Discogsで確認できる情報も合わせて考えると、INTL-1からINTL-3までRLのサインはあるものの、INTL-4以降にはないようだ。

しかも、UK盤に使用されたINTL-9とINTL-10にはHWのサインがあるようで、つまり、ハウィー・ウェインバーグ(Howie Weinberg)がカッティングしているらしい。

そうなると、MASTERDISKのみでRLのサインのないものは、ラディックがサインし忘れたわけではなく、やはり若いやつにカッティングをまかせたと考えるのが合理的である(そのうち、ハウィー・ウェインバーグだけは自分のサインをしたと)。

俄然、RLサイン入りのUS盤が欲しくなってしまった。

さっき言ったように、USマトで1Gまでの若いものにはRLのサインがある。
どうやら、キャロルトン(Carrollton)工場産の初期盤では、1C~1EのUSマトで、両面RLサイン入りがあるようだ。

ってことで、ここしばらく、レコードショップに行くと、ゴロゴロ転がっているUS盤を確認しているのだが、なかなか見つからない。

ようやくのことで、先日、片面USマトRLサイン入りを見つけて入手した(片面1GのRLサイン入りを確認したときに同時に見つけた)。

その盤のMatrixは次の通りだ(P"MP"やP-"T"というのがいまひとつよくわからないがピットマン(Pitman)工場産ということかな?)。

P "MP" AL.39940-1B MASTERDISK RL
P -"T" BL.39940.INT-14 MASTERDISK


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(馴染み深いUS COLUMBIAの赤いレーベル。)


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(Side 1のMatrix末尾は、USマトで1Bだ。)


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(MASTERDISK刻印の隣には、RLのサインがある。)


実際、聴き比べてみると、RLサイン入りとサインのないものでは、音が違う。
もっとも、そんなに大きな差ではない。
おそらく、ラディックが自分でカッティングしてお手本を見せ、若いやつがそれを見習ってカッティングしたんだろう。

ただ、RLサイン入りのほうは、ぎりぎりまで攻めている分キレがあり、RLサインのないほうは、攻めきれていない分キレが甘くなる。
そういう違いなんで、比べなきゃわからない(笑)
(HWサイン入りのほうは、もしかしたら自己主張してるかもしれないので、少し違うかもしれないが、聴いたことがないのでわからない。)

わからないが、比べてしまうと、やっぱり両面RLサインのあるUS初期盤が欲しくなる。

とはいえ、ワンコインでゴロゴロ転がっているレコードなので、海外からはもちろん国内でも、送料を払って買う気にはなれないんだよねぇ(笑)

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