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レコードのレーベル形状 [アナログ・コレクターの覚書]

ツイッターのボクのTLで、レーベル形状がプレス機由来なのか、スタンパー由来なのかということが話題になった。

たとえば、次の写真は、いずれもレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)『聖なる館(Houses of the Holy)』のUKオリジナル、Matrix末尾A2/B2の盤のレーベルなのだが、中央にあるドーナツ盤のアダプターぐらいの大きさの円が、一枚目は二重に、二枚目は一重になっている。


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この形状の違いが、プレス機に由来するものなのか、それとも、スタンパーに由来するものなのか、という話だ。

問題は、プレス機にとりつけるスタンパーに、どのくらいの穴が開いているかってことだ。
YouTubeを探してみると、1950年代のRCA Victor Presentsの動画が見つかった。





15分15秒くらいのところにスタンパーが出てくるが、けっこうでかい穴があいている。
このぐらいの穴が開いているとすると、その内側にあたるレーベルの形状はプレス機由来ということになる。

これを前提に考えると、50年代のレコードのDGなんかは、プレス機由来ということになる。

もっとも、こういうのは時代によって違うということもある。
実際、比較的最近(2000年頃)の東洋化成でのプレスの工程を記録した動画を見てみると、スタンパーの穴はずっと小さい。





9分30秒くらいのところにスタンパーが出てくるが、穴の大きさはドーナツ盤のアダプターぐらいだ。
この穴の大きさとレーベル中央の円はほぼ同じ大きさってことになる。

こうなると、プレス機の取り付け軸の外周が2段になっているのか、それともスタンパーの穴の周囲が二段になっているのか、という微妙な話になるが、よく見ると、二重のほうの内側の円が一重の円と一致しているので、どうやらスタンパーの穴の周囲が二段になっていると考えるほうが合理的な気がしてきた。

スタンパーの穴がドーナッツ盤アダプター程度なら、レーベルが外側に向かって二段になっているのはもちろんスタンパー由来ということになる。
こうしたスタンパーの形状変化は、プレス機にとりつけるための穴を開けるときに、その穴開け機によって穴の周囲にかけられる圧力で生じる、スタンパーの変形に由来するものなんじゃないだろうか。
もちろん、それは、二段レーベルとか凸リムレーベルとかを考えれば明らかなように、意図的な変形だろう。

そう考えると、いろんなことに合点がいくのだ。

60年代以降のレーベル中央にドーナツ盤アダプター相当の円があるレーベルの場合、レーベル形状のほとんどはスタンパー由来だが、それは穴をあけるための機械によって起こるスタンパーの形状変化に由来する。
このスタンパーに穴をあける機械が工場によって違うと、工場違いでレーベル形状が違うということが起こるんじゃないかと思うのである。

もっとも、話を最初の『聖なる館』UKオリジナルの話に戻すと、二重円のレーベルは、Side1だけが二重円でSide2は一重円なので、実は、このスタンパーの穴開け機由来説が妥当しない(笑)
外側に向かって二段になっているのは、穴開け機由来だと思うのだが、中央の二重円は、案外、プレス機に上側のスタンパーを固定するときに、落ちてこないように軸周りにはめる留め具のようなものに由来するんじゃないかと思うのだが、どうだろう?

さて、真相やいかに?(笑)

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2回目の通りすがりです

うちのA2/B2は両面とも二重円ですね。B面は溝が浅いですが。ちなみに先日A1/B1を購入したのですが、届いたらA3/B3でがっくり、即返品しました。
by 2回目の通りすがりです (2018-04-24 23:36) 

想也

2回目の通りすがりですさん

情報ありがとうございます(^^)
A2/B2ではありませんが、うちにも両面二重円のものがありました。
両面だと、穴あけ機でできるスタンパーの形状変化由来なのか、それともスタンパーをプレス機に固定する留め具由来なのか、どっちかわかりませんねσ(^_^;)

A1/B1の件は残念でしたねぇ。。。


by 想也 (2018-04-25 08:40) 

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