Thin Lizzy, Live and Dangerous UK盤の不思議 [Thin Lizzy]
シン・リジー(Thin Lizzy)の名作ライブ"Live and Dangerous"のUK盤(Vertigo 6641 807)には一つの不思議がある。
しばらく前にレコード・コレクターズで紙ジャケ探検隊の報告があったSide 1のMatrix末尾1をめぐる不思議である(2017年2月号に掲載された紙ジャケ探検隊の「私の収穫2016」をご覧ください)。
"Live and Dangerous"のUKオリジナル(いわゆる初期プレス盤)には、Side 1のMatrixが1のものは存在しない。 ところが、1980年前後のレーベルがスペースシップからオレンジ・イエローに切り替わる時期になって、突如として、Side 1のMatrixが1の盤がプレスされた。
しかも、これには、冒頭にナレーションが入り、ドラマ仕立てで1曲目のJailbreakが始まるという、実に楽しい演出が収録されていて、オリジナルとはまったく違う出だしだというのである。
これは何としても聴いてみたい。
ってことで、ずっと探していたのだが、なかなか見つからない。
半分諦めていたのだが、見つかるときは簡単に見つかるものである。
昨日、サクッと手に入ってしまった。
早速聴いてみると、これが実に楽しい(笑)
何度も繰り返し聴いてしまった。
さて、この盤、肝心の1枚目が80年前後から使用された(正確にはいつから使用されたか知りませんσ^_^;)オレンジ・イエロー・レーベルで、2枚目がスペースシップになっているものしかないと思っていたのだが、今回ボクが入手したものは、1枚目もスペースシップだった。
オレンジ・イエロー・レーベルのものより、ちょとだけプレスが早いのかもしれない。
しかし、スペースシップのMatrix末尾1だからといって、これがオリジナル・ファースト・プレスだという可能性があるのかというと、それはない(笑)
一応、その根拠を明らかにしておこう。
ボクが手に入れた盤の4面全部のMatrix末尾は1/2/3/1である。
Discogsに掲載されているMatrix情報とボクが以前から所有していた盤のMatrix(4/2/1/1―これはDiscogs未掲載)を合わせて考えると、おそらく、1枚目は3/1か4/1か5/1→3/2か4/2か5/2へと変遷、2枚目は1/1→3/1へと変遷した。
しかも、1枚目の変遷のほうが先行しているっぽい。
そうだとすると、Side 2のMatrixが2で、2枚目のMatrixが3/1というのは、相当に後のプレスということになる。
Side 1がMatrix 1でも、他の面は全部レイトをあらわしているのである。
つまり、ファースト・プレスのわけがない。
もう一つ、手持ちの4/2/1/1との比較も証拠になる。
Side 2のMatrixがどちらも2なのだが、Side 1のMatrixが1の盤のほうが、Side 2のマザー/スタンパーがはるかに進んでいるのである。 わかりにくいので表にしてみよう。
1/2/3/1盤と4/2/1/1盤の1枚目の比較
ここから、Matrix末尾4/2の盤よりも、Matrix末尾1/2の盤のほうが、はるかにレイトプレスであることがわかる。
つまり、ファーストプレスのわけがない。
では、何故、レイトになって突如、Matrix末尾1の盤が現れたのか?
これは紙ジャケ探検隊も推測しているように、ボツにしたのが誤って復活してしまったという可能性が一番高い気がする。
すべて廃棄されたはずのスタンパーが1枚だけ残っていて(コピーシェル用に別に保存されていて廃棄されなかったとかさ)、それが使われてしまったのではないかと思うのである。
まぁ、妄想だけどね(笑)
さて、今回手に入れた盤だが、レイトが一般にそうなのかどうかわからないけれども、ジャケットがずいぶん黄色い。
ただ、インナースリーブは厚手のものがちゃんと付属していた。
残念ながら、オリジナル盤に付属していたこのインサートは附属していなかった。
(こちらは、今回入手したものではなく、以前から持っていたオリジナル盤とインサート)
ジャケット写真の一瞬前か一瞬後かを捉えたこのインサートの写真も実に良い写真である。
最後まで、ジャケット写真をどちらにするか迷ったんじゃないだろうか。
あれ?でも、Discogsには、このインサートの写真が掲載されてないどころか、付属していたという記述すらないぞ・・・
これ、裏は”The Thin Lizzy Collection"というタイトルで、Vertigoからリリースされた"Nightlife"から"Bad Reputation"までの5枚のアルバムの写真が掲載されているものなので、このライブ・アルバムで初めてシン・リジーを聴いたって人は、遡って買ってねって意味で、オリジナルに附属してたもんだと思ったのだが・・・
そこで、ツイッターで親しくさせていただいている「シン・リジーならおまかせ」というコレクターの方に尋ねてみたのだが、どうやら「初期盤に付属していたもの」のようではあるものの、少なくとも「すべての初期盤に付属していたという類のものではない」ようで、そうだとすれば、今回入手したもの(マト1のくせにレイトプレス 笑)に付属していないのは当たり前なのであった。
関連情報として、このインサート写真のカラー版が当時の英国でプロモ用ポスターに使われたということを教えてもらったので、ネットで検索しまくって実物の写真を見たのだが、これがとんでもなくカッコイイんである。
欲しい・・・
しばらく前にレコード・コレクターズで紙ジャケ探検隊の報告があったSide 1のMatrix末尾1をめぐる不思議である(2017年2月号に掲載された紙ジャケ探検隊の「私の収穫2016」をご覧ください)。
"Live and Dangerous"のUKオリジナル(いわゆる初期プレス盤)には、Side 1のMatrixが1のものは存在しない。 ところが、1980年前後のレーベルがスペースシップからオレンジ・イエローに切り替わる時期になって、突如として、Side 1のMatrixが1の盤がプレスされた。
しかも、これには、冒頭にナレーションが入り、ドラマ仕立てで1曲目のJailbreakが始まるという、実に楽しい演出が収録されていて、オリジナルとはまったく違う出だしだというのである。
これは何としても聴いてみたい。
ってことで、ずっと探していたのだが、なかなか見つからない。
半分諦めていたのだが、見つかるときは簡単に見つかるものである。
昨日、サクッと手に入ってしまった。
早速聴いてみると、これが実に楽しい(笑)
何度も繰り返し聴いてしまった。
さて、この盤、肝心の1枚目が80年前後から使用された(正確にはいつから使用されたか知りませんσ^_^;)オレンジ・イエロー・レーベルで、2枚目がスペースシップになっているものしかないと思っていたのだが、今回ボクが入手したものは、1枚目もスペースシップだった。
オレンジ・イエロー・レーベルのものより、ちょとだけプレスが早いのかもしれない。
しかし、スペースシップのMatrix末尾1だからといって、これがオリジナル・ファースト・プレスだという可能性があるのかというと、それはない(笑)
一応、その根拠を明らかにしておこう。
ボクが手に入れた盤の4面全部のMatrix末尾は1/2/3/1である。
Discogsに掲載されているMatrix情報とボクが以前から所有していた盤のMatrix(4/2/1/1―これはDiscogs未掲載)を合わせて考えると、おそらく、1枚目は3/1か4/1か5/1→3/2か4/2か5/2へと変遷、2枚目は1/1→3/1へと変遷した。
しかも、1枚目の変遷のほうが先行しているっぽい。
そうだとすると、Side 2のMatrixが2で、2枚目のMatrixが3/1というのは、相当に後のプレスということになる。
Side 1がMatrix 1でも、他の面は全部レイトをあらわしているのである。
つまり、ファースト・プレスのわけがない。
もう一つ、手持ちの4/2/1/1との比較も証拠になる。
Side 2のMatrixがどちらも2なのだが、Side 1のMatrixが1の盤のほうが、Side 2のマザー/スタンパーがはるかに進んでいるのである。 わかりにくいので表にしてみよう。
1/2/3/1盤と4/2/1/1盤の1枚目の比較
Side 1のMatrix | Side 2のMatrix | Side2のスタンパー |
1 | 2 | 39 |
4 | 2 | 6 |
ここから、Matrix末尾4/2の盤よりも、Matrix末尾1/2の盤のほうが、はるかにレイトプレスであることがわかる。
つまり、ファーストプレスのわけがない。
では、何故、レイトになって突如、Matrix末尾1の盤が現れたのか?
これは紙ジャケ探検隊も推測しているように、ボツにしたのが誤って復活してしまったという可能性が一番高い気がする。
すべて廃棄されたはずのスタンパーが1枚だけ残っていて(コピーシェル用に別に保存されていて廃棄されなかったとかさ)、それが使われてしまったのではないかと思うのである。
まぁ、妄想だけどね(笑)
さて、今回手に入れた盤だが、レイトが一般にそうなのかどうかわからないけれども、ジャケットがずいぶん黄色い。
ただ、インナースリーブは厚手のものがちゃんと付属していた。
残念ながら、オリジナル盤に付属していたこのインサートは附属していなかった。
(こちらは、今回入手したものではなく、以前から持っていたオリジナル盤とインサート)
ジャケット写真の一瞬前か一瞬後かを捉えたこのインサートの写真も実に良い写真である。
最後まで、ジャケット写真をどちらにするか迷ったんじゃないだろうか。
あれ?でも、Discogsには、このインサートの写真が掲載されてないどころか、付属していたという記述すらないぞ・・・
これ、裏は”The Thin Lizzy Collection"というタイトルで、Vertigoからリリースされた"Nightlife"から"Bad Reputation"までの5枚のアルバムの写真が掲載されているものなので、このライブ・アルバムで初めてシン・リジーを聴いたって人は、遡って買ってねって意味で、オリジナルに附属してたもんだと思ったのだが・・・
そこで、ツイッターで親しくさせていただいている「シン・リジーならおまかせ」というコレクターの方に尋ねてみたのだが、どうやら「初期盤に付属していたもの」のようではあるものの、少なくとも「すべての初期盤に付属していたという類のものではない」ようで、そうだとすれば、今回入手したもの(マト1のくせにレイトプレス 笑)に付属していないのは当たり前なのであった。
関連情報として、このインサート写真のカラー版が当時の英国でプロモ用ポスターに使われたということを教えてもらったので、ネットで検索しまくって実物の写真を見たのだが、これがとんでもなくカッコイイんである。
欲しい・・・
タグ:Thin Lizzy
とても参考になりました。私もレコードコレクターズの収穫欄を見て、そこで初めて知りました。ネットを検索しても情報が無かったので、ちょっと疑い始めていましたが本当だったのですね。ぜひ聞いてみたいものです。当時のライブ音源でナレーション~Jailbreakとやっていたのは聞いたことがあるのですが、それと同じ感じなのかな?ジャケ写の別ショットも初めて見ました。
by ターキータッキー (2018-02-08 23:51)
ターキータッキーさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
参考にしていただければうれしいです(^^)
意識して探していれば、けっこうサクッと見つかると思うので、ぜひ手に入れて聴いてみてください。
by 想也 (2018-02-09 08:16)
古い記事に書き込んですいません。2年前にも書き込んだ者ものです。苦節(?)二年、やっと手に入れました。但し1984年の再発盤(PRID6:オレンジイエローレーベル)です。
Disc1A面:9199645 1?//1 UT
Disc1B面:9199645 B//6▽420W
冒頭のナレーション&サイレンは、1976~77のライブツアーで流されていたものと同じですね。
by ターキータッキー (2020-01-18 15:54)
ターキータッキーさん
いえいえ、古い記事をチェックしてくださるのは大歓迎です(^_-)-☆
マト1の入手、おめでとうございます(^^)
これは音源的に大事なので、再発盤でもオッケーですよね。
っていうか、PRID6にもマト1のラッカーが使われてるんですね。
貴重な情報、ありがとうございます!
by 想也 (2020-01-18 18:58)