音が悪い理由 [アナログ・コレクターの覚書]
<ツイッター上のやりとりで、”Prisoner In Disguise”につき、すっかり忘れていたことを思い出させてもらったので、追記しました。7月9日11時>
先日、安レコのまとめ買いで、ジョン・レノンがプロデュースしたハリー・二ルソン(Harry Nilsson)”Pussy Cats"のUSオリジナル(RCA Victor CPL1-0570 )を買ってみた。
カット盤ではあるものの、凝った作りのジャケットに、黒インナースリーブも付属していたし、盤の状態もそこそこ良かったので、かなり満足な買い物だった。
MatrixはCPL1-0570 A-3/CPL1-0570-B-3で、Discogsを見る限りはこれより若いマトはない。
マスタリングは、裏ジャケットにはRecord Plant Cutting Roomとあるが、RunoutにMCR刻印があるし、裏ジャケットにエンジニアとしてTom RabstenekとGreg Calbiの名前があがっているので、Master Cutting Roomで行われているようだ。
音はものすごく良いというほどでもないが、悪くはない。
まぁUSオリジナルの標準的な音がする(笑)
少なくとも、このなかなかよくできたアルバムを思い切り堪能できるレベルの音質である。
ボクはとにかく1曲目の"Many Rivers to Cross"にやられてしまった。
いろんな人がカバーしているジミー・クリフ(Jimmy Cliff)の名バラードだ。
アルバム全体を一通り聴いたあと、"Many Rivers to Cross"だけ3回くらい繰り返し聴いてしまったよ(笑)
"Many Rivers to Cross"といえば、確かリンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt)もカバーしてたよなと、レコ棚から引っ張りだしてきた。
”Prisoner In Disguise”のUS盤(Asylum Records – 7E-1045)だ。
でも、このレコード、なんだか音が良くない印象なのである。
Matrixは、7E1045-A-8-SP-AR/7E1045-B-9-SP-ARで、Side2にのみTML-S刻印がある。
そうThe Mastering Labによるマスタリングなのである。
裏ジャケを見ると、Masterd at The Mastering Lab, L.A. by Doug Saxとしっかりクレジットされている。
ダグ・サックスによるマスタリングなら、一定水準以上の音質は確保されそうなのだが、ボクのもっている盤の音質はとにかく酷い。
盤は見た目ニアミントなのに、歪みっぽさで靄がかかっているような音(要は、なまりまくっているということ)なのである。
Matrix末尾は確かにA-8/B-9と進んでいるが、当時のUS盤は、売れそうなレコードなら最初からラッカーを10枚くらい切ってたりするので、マトが進んでいることはあんまり関係ない気がする。
実際、リンダのうちにあるレコードで同じくらいマトが進んでいるものもかなりあるが、素晴らしい音で鳴るのである。
なんでだろーなーとレーベルを眺めていたら、ふっとあることに気づいた。
ARじゃダメなんじゃないの?
ARはAllied Record Companyでロサンジェルスにあるプレス工場である。
アサイラムも確かにAR工場を利用していたが、それは1979年にワーナーがAllied Record Companyを買収した後のことだったはずだ。
つまり、1975年リリースの”Prisoner In Disguise”の初回は、ARのはずはないんである。
うちの盤は、おそらく1979年以降のプレスで、あらたに切ったラッカーから作ったスタンパーではなく、まだ使えそうな(でも実際には劣化が甚だしかった)残存スタンパーを使ってプレスしたものに違いない。
Side1にTML刻印がないってのも、最初からなかったわけではなく、スタンパーを作りすぎて消えちゃったんだったりして・・・
仮にそこまで無理して作ったスタンパーだとしたら、ひどい音の盤しかできないのは、当然といえば当然である。
アサイラムは、一般にクラウズと呼ばれるこのレーベルを10年くらい使っていたので、ファーストプレスを探すには、ものによっては工場も意識してある程度絞り込む必要がありそうだ。
リンダの”Prisoner In Disguise”については、ツイッター上のやりとりで、「初期盤は表ジャケ右上の文字部分がエンボス加工されている」とのリプライがあって、そういえばそうだったと思い出した。
手持ち盤がエンボス加工のないレイトプレスだってことを忘れてたよσ^_^;
ってことで、このレコードについては、エンボス・ジャケってことで絞り込みが可能なのだが、初期盤にそういう特徴がないときは、プレス工場がどこかっていうのも手掛かりになると思うわけである。
先日、安レコのまとめ買いで、ジョン・レノンがプロデュースしたハリー・二ルソン(Harry Nilsson)”Pussy Cats"のUSオリジナル(RCA Victor CPL1-0570 )を買ってみた。
カット盤ではあるものの、凝った作りのジャケットに、黒インナースリーブも付属していたし、盤の状態もそこそこ良かったので、かなり満足な買い物だった。
MatrixはCPL1-0570 A-3/CPL1-0570-B-3で、Discogsを見る限りはこれより若いマトはない。
マスタリングは、裏ジャケットにはRecord Plant Cutting Roomとあるが、RunoutにMCR刻印があるし、裏ジャケットにエンジニアとしてTom RabstenekとGreg Calbiの名前があがっているので、Master Cutting Roomで行われているようだ。
音はものすごく良いというほどでもないが、悪くはない。
まぁUSオリジナルの標準的な音がする(笑)
少なくとも、このなかなかよくできたアルバムを思い切り堪能できるレベルの音質である。
ボクはとにかく1曲目の"Many Rivers to Cross"にやられてしまった。
いろんな人がカバーしているジミー・クリフ(Jimmy Cliff)の名バラードだ。
アルバム全体を一通り聴いたあと、"Many Rivers to Cross"だけ3回くらい繰り返し聴いてしまったよ(笑)
"Many Rivers to Cross"といえば、確かリンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt)もカバーしてたよなと、レコ棚から引っ張りだしてきた。
”Prisoner In Disguise”のUS盤(Asylum Records – 7E-1045)だ。
でも、このレコード、なんだか音が良くない印象なのである。
Matrixは、7E1045-A-8-SP-AR/7E1045-B-9-SP-ARで、Side2にのみTML-S刻印がある。
そうThe Mastering Labによるマスタリングなのである。
裏ジャケを見ると、Masterd at The Mastering Lab, L.A. by Doug Saxとしっかりクレジットされている。
ダグ・サックスによるマスタリングなら、一定水準以上の音質は確保されそうなのだが、ボクのもっている盤の音質はとにかく酷い。
盤は見た目ニアミントなのに、歪みっぽさで靄がかかっているような音(要は、なまりまくっているということ)なのである。
Matrix末尾は確かにA-8/B-9と進んでいるが、当時のUS盤は、売れそうなレコードなら最初からラッカーを10枚くらい切ってたりするので、マトが進んでいることはあんまり関係ない気がする。
実際、リンダのうちにあるレコードで同じくらいマトが進んでいるものもかなりあるが、素晴らしい音で鳴るのである。
なんでだろーなーとレーベルを眺めていたら、ふっとあることに気づいた。
ARじゃダメなんじゃないの?
ARはAllied Record Companyでロサンジェルスにあるプレス工場である。
アサイラムも確かにAR工場を利用していたが、それは1979年にワーナーがAllied Record Companyを買収した後のことだったはずだ。
つまり、1975年リリースの”Prisoner In Disguise”の初回は、ARのはずはないんである。
うちの盤は、おそらく1979年以降のプレスで、あらたに切ったラッカーから作ったスタンパーではなく、まだ使えそうな(でも実際には劣化が甚だしかった)残存スタンパーを使ってプレスしたものに違いない。
Side1にTML刻印がないってのも、最初からなかったわけではなく、スタンパーを作りすぎて消えちゃったんだったりして・・・
仮にそこまで無理して作ったスタンパーだとしたら、ひどい音の盤しかできないのは、当然といえば当然である。
アサイラムは、一般にクラウズと呼ばれるこのレーベルを10年くらい使っていたので、ファーストプレスを探すには、ものによっては工場も意識してある程度絞り込む必要がありそうだ。
リンダの”Prisoner In Disguise”については、ツイッター上のやりとりで、「初期盤は表ジャケ右上の文字部分がエンボス加工されている」とのリプライがあって、そういえばそうだったと思い出した。
手持ち盤がエンボス加工のないレイトプレスだってことを忘れてたよσ^_^;
ってことで、このレコードについては、エンボス・ジャケってことで絞り込みが可能なのだが、初期盤にそういう特徴がないときは、プレス工場がどこかっていうのも手掛かりになると思うわけである。
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