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RVG追悼~Miles Davis Volume 1 & 2 [Rudy Van Gelder(RVG)の仕事]

やたらと忙しかったこの一週間、今日一日がんばれば休めると気力を振り絞った金曜の朝、ルディ・ヴァン・ゲルダー(Rudy Van Gelder)氏の訃報を知った。

91歳だったというから天寿を全うしたと言っていいのかもしれないが、JazzのレコードといえばRunoutに彼の残した刻印を探していた身としては、なんだか言いようのない寂しさを感じてしまう。

そういうわけで、昨日仕事から帰ったあとは、彼の冥福を祈りながら、あれやこれやと彼がレコーディング&カッティングしたレコードを聴いていた。

ブルーノート(Blue Note)、プレスティッジ(Prestige)、インパルス(Impulse)、ヴァーヴ(Verve)、CTI・・・ボクのレコード棚に並んでいるJazzのレコードの半分以上は彼の仕事だ。
かけるレコードは山ほどある。

とはいえ、ルディ・ヴァン・ゲルダー氏といえば「アルフレッド・ライオン(Alfred Lion)氏とともにブルーノートの音を作り上げた人物」というイメージが強いから、自ずとブルーノートのレコードが多くなる。

それでふっと思い出した。

1500番台の98枚と4000番台の97枚については、そのうち全部聴いてみようと思っていたのだ。
すっかり忘れていたよ・・・

いまちょっと棚を確認してみたが、CDでさえ持っていないもの(つまりまったく聴いたことがないもの)が120枚くらいあるσ^_^;
(ちなみに、オリジナル盤やそれに近いと思われるものは15枚くらいしかありません 笑)

いやでも、これは見方によっては、「まだこんなに楽しみが残っている」ということでもある。

何年かかるかわからないが、1501番から順に、持っていないものは(まぁ基本CDで 笑)手に入れながら、全部聴いていこう。
そんなことを思い立ってしまったのであった。
そして、それこそRVG追悼にふさわしい気がした。
(でも、約束はしませんよ 笑)

ガイドは、中山康樹氏のこの二冊で。


20160827-1.jpg


まずは1501番と1502番だ。
何故2枚一緒かと言えば、CDしか持っていないからである(笑)

1501番の"Miles Davis Volume 1"と1502番の"Miles Davis Volume 2"は、もともと10インチLPでリリースされていた3枚のアルバム(各6曲で計18曲)に、未発表だった別テイク(5曲)を加えて、2枚の12インチLPにまとめたもの(12曲と11曲で計23曲)なのだが、手持ちの(RVGリマスターの)CDは、さらに3曲の別テイクを加えて、Volume 1(15曲)とVolume 2(11曲)で計26曲になっているものの、単純に12インチLPのVolume 1のほうに3曲加わったというわけではなく、曲構成が組み替えられているのである。

完全に自分用だが、10インチLPと12インチLPの曲構成をメモしておこう。

Miles Davis - Young Man With A Horn (BLP 5013) ―1952 年
 A1 Dear Old Stockholm
 A2 Woody 'N' You(Would'n Youとも表記される)
 A3 Yesterdays
 B1 Chance It
 B2 Donna
 B3 How Deep Is The Ocean

Miles Davis - Vol. 2 (BLP 5022)―1953年
 A1 Tempus Fugit
 A2 Enigma
 A3 Ray's Idea
 B1 Kelo
 B2 I Waited For You
 B3 C.T.A.

Miles Davis - Vol. 3 (BLP 5040)―1954年
 A1 Take-Off
 A2 It Never Entered My Mind
 A3 Well You Needn't
 B1 Lazy Susan
 B2 Weirdo
 B3 The Leap

この3枚が未発表の5曲を加えて12インチLPでは次のように再構成される。

Miles Davis Volume 1―1955年
 A1 Tempus Fugit
 A2 Kelo
 A3 Enigma
 A4 Ray's Idea
 A5 How Deep Is The Ocean
 A6 C.T.A.(別テイク)
 B1 Dear Old Stockholm
 B2 Chance It
 B3 Yesterdays
 B4 Donna(別テイク)
 B5 C.T.A.
 B6 Woody 'N' You(別テイク)

Miles Davis Volume 2―1956年
 A1 Take Off
 A2 Weirdo
 A3 Woody 'N' You
 A4 I Waited For You
 A5 Ray's Idea(別テイク)
 A6 Donna
 B1 Well You Needn't
 B2 The Leap
 B3 Lazy Susan
 B4 Tempus Fugit(別テイク)
 B5 It Never Entered My Mind

CD(2001年RVGリマスター)は、1952年と1954年の10インチ収録曲とその別テイクがVolume 1、1953年の10インチ収録曲とその別テイクがVolume 2におさめられている(が曲順は違う)。

ってことで、CDをリッピングして1501番と1502番の曲順に再構成して聴くのである。
ちなみにリッピングしたファイルは、Audiogate4でDS-DAC-10R(KORGのDAC)を通して再生するのだが、5.6MHzのDSDにアップコンバートされるので、CDよりずいぶんと聴きやすい。

けっこう大きめの音量で聴くせいか、CDは聴き疲れしてしまってあまり連続して聴けないのだが、DSDにアップコンバートして聴くとそれほど聴き疲れしないので、重宝しているのである。
(でも、アナログが一番聴き疲れしないんだけどね。)

こうやって聴いていると、1952年録音のトラック、1953年録音のトラック、1954年録音のトラックで音が違うのがはっきりわかる。

全体をヴァン・ゲルダー氏がリマスターしているとはいえ、1952年録音と1953年録音はレコーディング・エンジニアがダグ・ホーキンス(Doug Hawkins)氏だし、当然スタジオもハッケンサックのヴァン・ゲルダー・スタジオではない(NYCのWORスタジオ)から、違うのは当然だ。
1954年録音になると、ハッケンサックでRVG録音だから、正真正銘ブルーノートの音になる。

ハッケンサックといえば、中山康樹「超ブルーノート入門」によると、この録音のとき、「ハッケンサックのスタジオに、約2週間前シルヴァーと『バードランド』で共演したクリフォード・ブラウンが表敬訪問に現れ」、「ピアノを弾くシルヴァーを囲んで2人のトランぺッターがにこやかに談笑する写真が残されている」というが(その写真は、アルバム解説の前におかれた「ブルーノート物語」(21頁)の中に掲載されている)、ボクの持っている写真集『The Blue Note Years: The jazz Photography of Francis Wolff』には、にこやかに談笑する写真ではなく、3人で真剣に譜面かなんかを見つめる写真が載っている。


20160827-2.jpg


これはこれでいいよね^^

この写真集、ハードカバーでしっかりした作りの大判の写真集なのだが、お気に入りの写真のページを開いて(ときどきページをかえたりして)リビングに飾っていたせいで、長いこと開いていたページは黄ばんでいるし、ハードカバーは反っているし、ハードカバーを覆う表紙の写真は退色してしまっているσ^_^;

保存用にもう一つ買っておこうかなと思ったら、絶版になってて、おそろしいプレミアがついているー
30ドルくらいだったんだけどな・・・
これじゃ、もう買えない・・・
こんなことなら保存用にもう一つ買っとけばよかったな。

いや、それより、最後の"It Never Entered My Mind"を聴くと、1954年録音10インチLPのオリジナル盤が欲しくなってしまうぞ。

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